接合金物による驚異的な強度と自由度
木造建築の最大の弱点と言われていたのが接合部分です。伝統的な在来軸組工法では「仕口」や「継ぎ手」の加工が必要となり、構造的に重要な柱や梁を削り取る加工が一般的でした。その為、本来木材がもっているはずの強度を弱めてしまっていたのです。KES構法はその最大の弱点をオリジナルの接合金物を用いることで徹底的に強化し、驚異的な強度を実現しました。大空間や大スパンといった、在来軸組工法では難しかった自由な設計が可能となっています。KES構法のオリジナル金物には他の接合金物には見られない独自の「引っかけ」部分と「梁受け」部分があります。これにより強度と施工性を高めています。
優れた耐力・耐久性能により、
将来への対策も万全
従来の工法では、土台の上に柱が乗るため、大きな荷重がかかる場合には土台にめり込みや割れが発生する可能性がありました。KES構法は日本古来の神社仏閣の柱の考え方と同様に柱を基礎に直接緊結し、地震などの力を基礎に伝えて分散させます。災害や老朽化から長く建物を守ります。
震災にも強さを証明したKES構法
阪神・淡路大震災の時、特に被害の大きかった神戸市灘区にあったN邸はKES構法の3階建て住宅。周囲の鉄筋コンクリート3階建てマンションですら倒壊したこの地域で尊い生命と財産を守りました。KES構法で建てた宮城県栗原市の栗駒総合支所は、2008年の岩手・宮城内陸地震において震度6強の揺れにも全くの無傷でした。震度7を記録した2011年の東日本大震災にも耐え、現地災害対策本部として機能しました。
接合金物の耐久性を飛躍的に高め、錆に強い溶融亜鉛メッキ
KES構法の接合金物は全てサビなどに強い亜鉛溶融メッキを採用。JIS規格最高値の500g/㎡以上の亜鉛溶融仕上で電力会社の送電塔(350g/㎡)よりも高い防錆効果を持っています。また、一般的なカチオン電着塗装では、海岸地帯屋内で使用した場合50年程度で錆が発生しますが、亜鉛溶融メッキ500g/㎡では173年以上の耐用年数があります。
業界に先駆けてSマークを取得した
確かな品質を誇るKES構法
阪神大震災以来、住宅を支える接合部の耐力の向上は喫緊の課題となりました。今では構造躯体の部分ごとに明確な耐力を示さなければなりません。KES構法の接合金物は国が認めた「Sマーク認定」を業界に先駆けていち早く取得。確かな品質を誇っています。さらに、すべての住まいには接合部保険(生産物賠償責任保険 特約付)が付いており、大きな安心でお客様をお守りします。
釘一つ、ドリフトピン一つにまで
こだわり、安全を守っています
高い性能を実現するためには壁や床を繋ぐ釘、さらに金具と梁や柱を繋ぐドリフトピンも重要な要素です。KES構法では厳しい品質管理を行い、信頼性の高い施工を実施しています。
Q&A
KES構法って何ですか?
Kimura Excellent Structure(キムラ(開発者) エクセレント ストラクチャー)の略でKESとし、木造軸組、2×4、鉄骨の長所を生かしたハイブリッド構法です。皆様の「クオリティー・オブ・ライフ」を実現する高品質注文住宅のために開発されました。その強度と設計自由度が認められ、大規模木造建築にも採用されています。
KES構法の構造部材は?
製材の他、構造用集成材、LVLを使用しています。CLTも使用できます。構造用集成材は、節や割れなどを取り除いたひき板・小角材を、繊維方向と平行に並べ、材を重ねて接着した部材です。安定した強度があり、材質が均一で狂いや割れが少ないのが特長です。当社は国産材を用いた集成材を積極的に活用しています。
KES 構法で使われる接合金物は、スチールに亜鉛溶融メッキをしたもので耐久性が非常に強く、(財) 日本住宅木材センターが認めた木造建築物用接合金物性能認定(Sマーク) を業界に先駆けて取得しています。更に、すべての住まいには接合部保険(生産物賠償責任保険 特約) が付いており、お客様の住まいを守ります。安全を裏付ける為に、構造材は徹底して品質管理されたものを使用しております。
集成材の耐久性は?
集成材は100年以上の歴史を持っています。集成材が建築物として利用されたのは、1860年イギリスのサウスアンプトンに建設されたキングエドワードカレッジの礼拝堂がもっとも古い建築物と言われています。日本では、1951年に建設された東京都新宿区四谷の森林記念館がもっとも古いとされています。現在も接着の技術が進歩し続け、なお一層の耐久性や耐水性を備えた建築部材となっています。
KES構法の構造計算は?
KES構法は、鉛直荷重・風荷重・地震荷重・層間変形・偏心率・剛性率や基礎の計算を行っています。使用部材をKES コネクター・集成材などにする事で明確に許容応力度計算ができ、建物の安全を確保しています。また、定期的な実験により強度や品質を管理しています。
基礎は在来軸組工法と違うのですか?
KES構法は、基礎も全棟構造計算を行っています。一般的な在来軸組工法などの住宅の基礎は、構造計算を必要とされていない為、建物の平均荷重で設定されています。建物の形状・荷重分布などに関係なく決められていることが多いというのが現状です。KES構法の基礎は、建物の重さや柱位置など、様々な条件に対応した基礎設計を行なっています。
建て方日数はどのくらい掛かりますか?
基礎工事終了後、40 坪位の一般的な住宅であれば、1 日で棟上が完了します。部材は工場でプレカットされ、コネクターや根太金物が全て取り付けられた状態で搬入されますので、現場ではドリフトピンと釘を打つだけとなります。
シックハウスについて対策は行っていますか?
KES構法では、国の定めるホルムアルデヒド放散量基準で最も安全なF☆☆☆☆を大幅に上回る構造材を使用しています。また、柱・梁・土台などの主要構造に用いる部材は、高い耐候性、耐水性、耐久性を持つレゾルシノール樹脂接着剤を使用しています。当社施工住宅においては、全棟測定して基準値よりはるかに小さい値であることを確認しています。
上階をはね出す事はできますか?
可能です。この場合、梁材ではね出しをつくります。住宅ではこれまで3.2mのはね出しが実例としてあります。
2方向のはね出しなどの特殊な場合には、事前にご相談下さい。また、はね出した壁を耐力壁とする場合、壁倍率を通常の壁倍率の半分に低減しなくてはなりませんので、バランス面でも注意が必要です。
化粧梁の端部にコネクターを見せない様にできますか?
化粧梁でコネクターを見せない仕様とする場合は、現場での埋め木加工にしています。また、ドリフトピンに関しましてもピン穴は埋め木できます。ご希望の際は事前にお知らせください。
KES構法を使うには?
KES構法は全国どこでもお使いいただけます。各地の協力工場から構造体を出荷し、地元の施工会社で施工していただくことが可能です。初めてKES構法をお使いになる場合でも、建て方のサポートを行いますのでご安心ください。まずはお気軽にお問い合わせください。