ふたつのアール曲線の集成材で構成されたフレーム
1階から小屋裏まで一体の門型フレームで構成している。ふたつのアール曲線を持つベイマツ集成材は、幅75mm、せい320mmの10のフレームにて全体を構成する。鋭角なアール曲線は半径1.2m、鈍角なアール曲線は2.45mを構造用集成材として製作し、一体としたフレームで長期と短期の応力を負担する構造とした。一体フレームは、製作上、施工上、5分割した構成である。接合部にはKESコネクターを用い、各応力が伝達される接合形式(半剛接合形式)である。意匠を考慮したインサートタイプで、表面からは見えない配慮を施してある。一方、フレームと直行する方向は、構造用合板により水平力を負担する設計とし、下地は内々に収め、壁面剛性を高めた構成である。
平面剛性として、床構面はダイアフラムを構成し、強度を高めた。梁と柱の接合部は一部ピン接合とし、KESのオリジナルコネクターを配している。この接合部も意匠上考慮し、インサートした埋め木処理により、表面からは見えない。
敷地条件を生かし緑を家の中に取り込む
25坪の小さな土地は、道路を挟んで東側が全面羽根木公園の森に面し、北の角に立派な桜の木を持つ。その緑をうまく工夫して家の中に取り込む、そんな装置になり得る場所である。家の形状的には、厳しい北側斜線に従い取れるマキシマムに近いボリュームを、ふたつの頂点を曲げ加工した集成材のフレームでジョイスト状に形づくった。必要とされた住宅用エレベータを、横力を負担しつつ、住宅の中心的コアとして全面に強調して、隣り合う桜のピンク色に配色した。
東側外観
2階ダイニングからリビングを見る。
2階リビングから見る。
2階リビングからダイニングを見る。
階段
外観夕景
詳細
- 設計
- 坂茂建築設計
- 所在地
- 東京都世田谷区
- 敷地面積
- 83.11㎡
- 建築面積
- 55.39㎡
- 延床面積
- 101.15㎡
- 階数
- 地上2階
- 竣工年
- 2009年
メディア掲載・受賞
- メディア掲載
- 住宅特集 2011年8月号
お問い合わせ
お問い合わせ・資料請求や、
木造建築技術に関するカタログはこちらから。