千葉県いすみ市の小さな山の頂上に、1万冊の本を収容する書庫と離れをつくった。
約40年前、私の父がこの地の山荘を購入し週末に通い果樹の手入れをしながら、毎月友人を招待し季節の恵みを楽しんできた。父がライフワークとして収集した本をアーカイブとして残したいと願い、書庫をつくることとなった。また、私は学生時代からこれまで作成したすべての模型をこの山荘に運んでいた。いよいよ模型の置き場がなくなり、書庫の隣に建築模型を納める離れを同時につくらせてもらうことになった。書庫に納める本は専門書が多く、将来的には小さな図書館として研究者や地域の方たちに開放する。また、離れも見せる倉庫として、訪れた方に建築模型を自由に眺めてもらう場所とする予定である。
書庫は、この地に訪れたくなる動機付けのひとつとして、みんなが見に行きたくなるような特徴的なかたちの建物を提案した。コンパクトなスペースの中にできる限りたくさんの本が置けるよう、ジグザグの壁を巻貝のように囲い込み外壁の周長をかせぎ、内部に小さな閲覧スペースを設けた。
この屋根形状を実現するためには、野地板を放射状に張れるように登り梁の天端をすべて異なる角度で斜めカットする必要がある。3D加工機でプレカットを行うことで、複雑な形状もスムーズに加工することができた。
この小さな建築を通して、私は地方と都市の新たな関係性を構築できる可能性を感じた。
高池葉子
書庫内部
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書庫内部
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書庫内部
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離れ内部
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左:書庫、右:離れ
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左:書庫、右:離れ 夕景
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詳細
- 設計
- 高池葉子建築設計事務所
- 所在地
- 千葉県いすみ市
- 敷地面積
- 書庫:166.3㎡ 離れ:232.2㎡
- 建築面積
- 書庫:46.8㎡ 離れ:21.4㎡
- 延床面積
- 書庫:26.6㎡ 離れ:21.4㎡
- 階数
- 地上1階
- 竣工年
- 2024年
撮影:中村絵
メディア掲載・受賞
- メディア掲載
- 新建築住宅特集 2025年1月号
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