根岸森林公園トイレ　丘の小道

丘陵地の風景に調和し、ふと通り抜けたくなるような自然の小道と一体になった公共トイレを目指した。園路からなめらかに分岐する緩勾配のアプローチは、車いすやベビーカー利用者を含め、だれもが自然の地形を楽しみながら通り抜けられる。動線に並走するように整備した植栽帯は、歩きながら変わるシークエンスとともに、多彩な植栽の表情や四季の移ろいを感じる。軒下は風速が抑えられた穏やかな風環境と、日射の和らいだ休憩スペースになっている。分棟型の構成は、自然光や風を十分に取り込み、快適なトイレ環境の維持に貢献する。そして、公園の豊かな土壌を育て未来へつなぐための試みとして、雨水浸透を促す土中改良、建設残土の場内利用、子供たちとの植樹ワークショップの開催などを実施した。