本託児所においては、LVLの網代構造を圧縮材としてトンネル上のアーチを形成し、縦横のLVL材格子の穴から室内に適度な自然光が入る空間を考えた。当然LVL材は引っ張りで使うより圧縮で使うことで厚みが増し30mmとなり、網代状に編むことが困難であることに気がついたとき、この土地の大館の名物の「曲げわっぱ」を思いだし、「網代構造」というよりは「曲げわっぱ構造」となった。
大館は多雪地域で、積雪荷重450kg/㎡を見込む必要があることから、落雪する45度の勾配屋根をLVLのトンネルアーチの上に載せ、円弧のLVLと正方形の勾配屋根木製下地材の間に細いスチールのラチス材を立体的に入れることにより、薄いLVLの剛性を確保した。
屋根には、LVLの穴の部分の上に採光のためのFRP折板がくるようスチール折板と組み合わせた。LVLの穴にはガラスがはめ込まれ、屋根との間の空間はダブルスキン的に室内環境のコントロールに利用されている。
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詳細
- 設計
- 坂茂建築設計
- 所在地
- 秋田県大館市
- 敷地面積
- 235.20㎡
- 建築面積
- 131.20㎡
- 延床面積
- 73.84㎡
- 階数
- 地上1階
- 竣工年
- 2001年
施工:シェルター
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