【ニュースリリース】アメ横 純木造3階建てビル「御徒町計画」着工
株式会社シェルター(本社:山形県山形市、代表取締役社長:木村仁大)は2024年11月、東京都台東区上野で、純木造3階建てビル「御徒町計画」を着工しました。竣工は5月末の予定です。
活気溢れる上野アメ横商店街から、人と環境に優しい「木造都市」を全国に発信します。
■本計画について
築50年以上の既存建物(鉄骨造2階建て)の老朽化に伴い、柱や梁などの主要構造部を木造とした3階建ての純木造ビルに生まれ変わります。
南側・東側の一面ガラス張りによって、木の空間と御徒町駅前・上野アメ横商店街の独自固有な賑わいが混ざり合うデザインとしています。
構造には弊社の接合金物工法「KES構法」と木質耐火部材「COOL WOOD」(1時間耐火仕様 柱・梁)を採用し、耐震・耐久性と耐火性を確保しています。
▲完成予想パース
▲JR御徒町駅 北口を出てすぐの立地
■本計画の背景
建設地である台東区では、沿道の建物の耐震化・不燃化による「倒れないまちづくり」および木造住宅密集地の不燃化や建て替えの促進による「燃えないまちづくり」を目指しており※1、最新の令和3年の統計では構造別延床面積は耐火構造が全体の83.4%に達しています。その反面、同区の木構造(防火木造、木造)は減少傾向※2にあります。
産業振興・環境配慮・心身の健康などのメリットから、建築物への木材利用を推進する法整備※3が進む中、本計画が台東区エリア、ひいては防火地域における木造中層建築物のモデルケースとなることを目指します。
■木造ビルの普及でSDGs達成、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献
日本の建築物の階数の分布は1~5階までが99%以上であり※4、弊社が開発・実用化した木造構築・耐火技術を用いることで国内の建築物の大多数を木造化できます。
本計画は28㎥の木材を利用し、建築物全体で22t-CO2の炭素を貯蔵します。これはスギ約43本分の二酸化炭素蓄積量に相当します※5。
日本の森林資源を活用する木造ビルの普及は、SDGs 達成、2050年カーボンニュートラルの実現にも貢献します。

■「アメ横」オマージュ「マチ森」で木造化推進
工事現場を覆う養生シートに「アメ横」のアーチ看板とリンクするデザインで「マチ森」のメッセージを掲出します。「マチ森」は弊社が掲げる「都市(まち)に森をつくる」というコーポレートメッセージの略称で、本計画のために特別に掲げるものです。
本計画が木造都市化を先導するプロジェクトとして、木造建築の魅力の発信源となることを目指します。
掲出期間:2025年2月12日~2025年4月30日(予定)
※今般の掲出は「アメ横」の商標を管理するアメ横商店街連合会様の承諾を得るとともに、台東区による景観協議の助言と指導に従い、近隣地域への配慮のもとに行います。
■建物概要
運営 :三絹株式会社
総合監修 :DESIGNWORKS合同会社
設計・監理:佐藤千弘建築設計事務所
ビル管理 :株式会社ビルバンク
構造設計・施工:株式会社シェルター
敷地面積:47.92㎡
建築面積:36.07㎡
延床面積:106.25㎡
階数 :地上3階
最高高さ:9.97m
所在地 :東京都台東区上野4丁目1番1号
用途 :物販
地域地区 :商業地域
防火指定 :防火地域
構造 :木造(純木造)
耐火種別 :耐火構造
工期 :2024年11月~2025年5月末(予定)
木材使用量:28㎥
建築物の炭素貯蔵量:22t-CO2 ※5
樹種 :杉、檜、唐松、赤松
■接合金物工法「KES構法」採用
■木質耐火部材「COOL WOOD」採用
※1:「台東区都市計画マスタープラン」より
※2:「台東区都市づくりのための基礎資料」より
※3:令和3年「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)」施行
令和6年 国土交通省「木造建築物の耐久性に係る評価のためのガイドライン」公表(木造の法定耐用年数見直し)
※4:国土交通省「令和元年建築着工統計調査」をもとに算出
※5:林野庁「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の算定シート」算定

■本計画に採用されている木造技術について
・接合金物工法「KES(ケス)構法」
木造建築における日本初の接合金物工法で日本、アメリカ、カナダで特許を取得している。
オリジナルの金物を使用して柱や梁の接合部を緊結することで、木造建築の耐震・耐久性能を飛躍的に高めた。建方には特殊技術を必要とせず、施工性も高い。
[2010年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞 技術部門 受賞]

・木質耐火部材「COOL WOOD(クールウッド)」
燃え止まり層に石こうボードを用いた耐火部材。1、2、3時間の国土交通大臣認定を取得し、(2、3時間は日本初)日本、カナダ、スイスで特許を取得している。
中心部の「荷重支持部」にはスギ以上の比重がある樹種が選択可能で、製材、集成材、LVL、CLTなど構成を選ばない。
(一社)日本木造耐火建築協会を通じて技術をオープン化している。
[2020年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞 技術部門 受賞]
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