集まりをつくる大らかな自由曲面屋根

高齢者施設やクリニックに囲まれるようにこの保育園は建っている。子供たちだけでなく、お年寄りや職員、施設利用者や地域の人々も気軽に集まれるみんなの居場所をつくろうと考え、大らかな屋根をこの場所に架けることにした。架構としてはLVLを軸に構造用合板でサンドイッチした木造の屋根で、 ふわふわと浮かんでいるような柔らかな覆いを目指した。物理的にも感覚的にも軽いものとすることで、誰もが身近に感じられて、寄り添いやすい建物になると思った。屋根はさまざまな方向を向き、どこからでも人を迎え入れるようにして、たえず開かれている。

構造設計：佐々木睦朗構造計画研究所
壁　　画：ミロコマチコ
施　　工：臼幸産業
構造体供給：シェルター

撮影：鈴木 研一

○新建築 2017年3月号掲載
○GA JAPAN151掲載